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明日災害に遭ったとき、どんな給付が受け取れる?

自然災害の脅威が高まる

自然災害が増えているということは、誰しもが感じていると思います。実際、世界気象機関(WMO)が2021年8月に発表したところによると、暴風雨や洪水、干ばつといった世界の気象災害の数は、2019年までの50年間で5倍に増加し、その間の経済損失も、3兆6,400億ドル(約422兆円)に達したといいます。

この増加傾向は続いており、2021年8月には米国で多くの被害者を出したハリケーン「アイダ」が発生しました。日本においても、「令和2年7月豪雨」があり、その被害額はおよそ5,847億円に上りました。

自然災害においては、自分や家族の生命を守ることが何より大事です。しかし、なんとか無事に生き延びることができたとしても、家財に大きなダメージを受けることは十分想定され、その後の生活が大いに困窮してしまう可能性もあるのです。

もちろん、リスクに備えて、貯蓄などを心がけている人は少なくないでしょう。しかし、個人の備えだけでは完全な生活の再建には十分ではない場合も多くあります。そのような時、国からの給付金が一定の助けになります。では、災害時の給付金にはどのようなものがあるのでしょうか。

自然災害時における公的な給付金

自然災害時に国から受けられる給付金には、主に以下のものがあります。

被災者生活再建支援制度

災害によって住宅に大きな被害を受けた世帯に対し、支援金が支給される制度です。支給額は、その被害の大きさや住宅の再建方法によって決まります。「基礎支援金」と「加算支援金」で構成され、合計で最大300万円が支給されます(単身世帯の場合は金額がそれぞれ3/4となります)。

▽住宅の被害程度に応じて支給される支援金(基礎支援金)

全壊など大規模半壊
支給額100万円50万円

▽住宅の再建方法に応じて支給される支援金(加算支援金)

建築・購入補修賃借(公営住宅除く)
支給額200万円100万円50万円

参考:内閣府「防災情報のページ」

災害弔慰金

災害で家族が亡くなった場合、遺族に「災害弔慰金」が支給されます。支給額は市町村条例で定める額となりますが、生計維持者の死亡は500万円、その他の人は250万円を超えない範囲となります。また、災害により重度の障害を受けた人には、「災害障害見舞金」が支給されます。支給額は市町村条例で定める額で、生計維持者である場合は250万円、それ以外の場合は125万円を超えない範囲となります。

住宅の応急修理(災害救助法)

被災した住宅の居室、台所、トイレなど、日常生活に不可欠な個所を応急修理してくれる制度です。しかし、応急仮設住宅等に入居している場合は利用できず、所得制限などといった条件もあります。また、修理は自分で手配するのではなく、市町村が業者に委託して行われます。このため、利用する際には自治体に詳細を確認するようにしましょう。

その他の利用できる支援制度

給付金ではないものの、災害時には税制上の支援制度もあります。災害で経済的損失を受けた場合、「雑損控除」あるいは「災害減免法」により、所得税の全部または一部を軽減することができます。それぞれ適用条件や軽減額、損失を翌年に繰り越せるかどうかなどで違いがあり、自分に有利な方を選択することができます。ただし、どちらも確定申告が必要です。

また返済が必要ではあるものの、家屋の復旧のために低利で融資を受けられる制度もあります。住宅金融支援機構が「災害復興住宅融資」を取り扱っており、「り災証明書」の交付を受けた人が利用の申請を行うことができます。

“もしも”に備えて民間の損害保険も検討しよう

災害に遭ってしまったとき、給付金は非常に有難い助けとなるはずです。しかし、自分で申請しないと受け取れないものがほとんどであり、その制度を知っているかどうかで、その後の生活に大きな違いが生まれかねません。

上記で紹介したもの以外にも、大規模災害の発生時には追加の支援措置が設けられることがあります。地方公共団体によっては、独自に支援金等を支給する制度を設けている場合もあります。災害が起こる前から、基本的な給付金制度は確認しておいた方がよいでしょう。

ただ、給付金だけで生活を完全に元に戻すことは難しいのも事実です。給付金ではカバーしきれない額や生活範囲においては、民間の損害保険などで備えておくことも検討する価値があります。地震保険や火災保険、長期的に仕事ができなくなった場合に備えた収入保障保険など、万が一の備えが大切な時代です。

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